流域環境指標生物
流域生態系を考える
河川環境を考える際に、流域という概念が重要となる。これは源流から河口域、海水域までをひとつの連続した自然環境の総体として捉える概念であり、
この場合の「連続性」とは生物の視点から河川を見た際の連続性である。
河川流域周辺で開発事業が行われ堰などによって河川の連続性が断絶されてしまうとその堰を境に上流の生物種は下流に移動できず、また下流の生物種は上流へ移動できない。
これは生活史上、河川内を移動して生活環境を変えている回遊性生物は大きな影響を受けるとともに、その河川自体も生物生息地としての連続性を欠いているということになる。
流域環境指標生物とは?
ある河川において、一定の方法で種の生存を確認することにより、流域全体の自然、あるいは二次的生態系が保全されていることを指標することが可能となる種。
河川環境を構成している水辺、水質、植生、流量、河口など個々の非生物的環境要素を評価するのではなく、流域全体の自然環境の健全性を指標することができる。